苦手な上司にプロポーズすることになりました
「これ、汚れが気にならない?」

「どちらの畑に行かれるのですか?
 別荘の近くに会長が作られてるあれですか?

 それか、会社の屋上に作られてる方ですか?」

「そういうのじゃないの。
 この――

 ああ、聞いてないかしら?
 この方、私の上司で、今度私と結婚するかもしれない赤荻由人さん」

「おめでとうございます。
 いや、そうだと思いました。

 お幸せそうな雰囲気がお二人から漂ってますからね」
と笑顔で、斎藤は言う。

 いや……、なにも漂っていないと思うが。

 この男は、おそらく、佑茉たちの一族についている百貨店の外商員なのだろう。

 切れ者っぽく見えたが、違うのか、と由人は窺う。
< 167 / 379 >

この作品をシェア

pagetop