苦手な上司にプロポーズすることになりました
 


「で、そのあと、畑でお抹茶立ててもらったんですよ」

 佑茉はうどん屋で新平にそう言った。

「……なんで畑でお抹茶」
と呟く新平は、千賀代が、最初は着物で畑に行こうとしていたことを知らなかった。

 いや、佑茉も知らなかったのだが。

 千賀代は最初、着物で出迎え、お抹茶でも立てようと思っていた。

 野点みたいに。

 着物は止められたが、その名残りでお抹茶だけ残ったので、千賀代の中ではお抹茶を出す流れは自然だったのだが。

 佑茉にとっても、由人にとっても、その話を聞いている新平にとっても、なにも自然ではなかった。
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