苦手な上司にプロポーズすることになりました




 その頃、由人は部屋の中でウロウロしていた。

 親族の集いとやらに出かける前に、自分の気持ちをハッキリさせておきたい気がしたからだ。

 ちょっと散歩でもしよう、と思いながら、外に出る。

 つい、公園に向かい、歩いていると、側に白い大きな車がとまった。

「赤荻くん、もう行くところかね。
 乗せて行こうか?

 佑茉はどうした」

 後部座席から顔を覗け、和市が笑顔で言ってくる。

「はあ、いえ、まあ……」
と曖昧なことを言っている間に、和市の隣に乗っている人の良さそうなおじさんも挨拶してきた。

 今から一緒に行く親戚の一人のようだ。
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