苦手な上司にプロポーズすることになりました
 


 きちんと身だしなみを整えたあと、佑茉は由人とともに祖父の屋敷に来ていた。

 広い玄関ホールで、由人がチラと佑茉を見て言う。

「……なにもしない方がいいのに」

「あのー、部長があちらの私の方を好ましく思ってらっしゃるとしても。
 あのままの格好でちゃんとした場所に出かけたら、失礼になりますからね」

 由人が公園にいた自分を好きだと言ったとき困った。

 それは私なんですけど、部長。

 そう言ったら、この困った縁談が進んでしまうのでは、と焦ったものだ。

 だけど、今は……

 今はどうなんだろうな。

 そんなことを考えている佑茉の顔をじっと見たあとで由人が言う。

「お前、美術は5か」

「どういう意味なんですかねっ?」
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