苦手な上司にプロポーズすることになりました
「ほんとうに結婚してくださらなくていいんです。
 私の方の話が収まるまで、それっぽくしててくださるだけで。

 部長の方にもメリットはあると思います。

 私との結婚を承諾するフリをしていれば、その間、あの止まらないおじさんが止まってますから」

 止まらないおじさん……。

 確かに、と思いついたら、猛スピードで進んでいきそうな社長を思い浮かべる。

「その間に、今後、どうするか、ゆっくり考えればいいじゃないですか」

 そうは言っても、走り出した結婚話は止まらなくなる危険性がある、と思いながら、由人は言った。

「お前との結婚話を受けて、ゆっくり考えるかどうか考えさせてくれ」

「では、3秒待ちます。

 いち、に、さん」

 どうしたことだ、俺よりこいつの方が決断力がある!
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