苦手な上司にプロポーズすることになりました
「まあ、一旦、落ち着け」
と言うと、佑茉は、

「じゃあ、そこらで飲み物買ってきますよ」

 そう言うやいなや買いに行き、ちゃんといつも由人が飲んでいるメーカーの温かい缶コーヒーを買ってきた。

 はい、と渡してくれる。

「……ありがとう」
と言ったあとで、

 いや、なに、部下におごってもらってるんだっ、と由人は正気に返る。

「俺がおご――」
と言いかけたとき、佑茉が道向かいを見た。

「あ、あのスープ屋さん美味しいんですよ。
 寒いですね。

 ちょっと行きませんか?」

「……行こうか」

 仕事以外だと、完全にこいつのペースになっているっ、と由人は焦る。




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