苦手な上司にプロポーズすることになりました
「今日は、あのなんかすごい段になっているケーキとかは頼まなくていいのか」
ランチを食べ終わるころ、由人がそう言ってきた。
おそらく、アフタヌーンティーセットのことだろう。
「もう食べられませんよ。
時間もありませんし。
……ランチ頼まずに、あれだけ頼んでもよかったですよね。
サンドイッチとかもついてますし。
中身きゅうりだけのときもありますけど。
アフタヌーンティーセットのサンドイッチってもともとは、きゅうりだけなんでしたっけ?」
「まあ、きゅうりってのは昔は栽培が大変で、富の象徴だったらしいからな」
さっきの手下の朝よりはマシな話をしていたが。
早く部署に戻らねばっと思っている新入社員たちは、もういなくなっていたので、それを聞くこともなかった。