苦手な上司にプロポーズすることになりました
 

 そのチャラい男が店内に入ってきた。

 とりあえず、お前に合わせよう、という意味を込め、由人は佑茉に向かい、頷く。

「久しぶり、佑茉」
「鈴木」

 こっちは名字呼びか……。

 その鈴木何某(なにがし)はこちらを見て、

「彼氏?」
と佑茉に訊く。

「彼氏じゃないけど、結婚するかもしれない人よ」

 そんな言い方を佑茉はした。

 ――まあ、嘘ではない。
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