苦手な上司にプロポーズすることになりました
「お前と話していると怪しいマルチ商法の人か。
怪しい宗教の人と話している気持ちになるので、やっぱり結婚は無理だと思う」
温かいスープ屋の店内で、由人は佑茉にそう言った。
「すみません。
こちらの都合でいろいろ言って。
そうですよね。
確かに無茶な話で……」
カップに入ったスープを手に、そう言いかけた佑茉だったが、すぐ側のガラス窓の外に視線を向け、固まる。
女性数人を連れた若い男が歩いてくるのが見えた。
チャラい、を絵に描いたようなイケメンだ。
彼は佑茉に気づくと、笑って手を振ってくる。
佑茉は笑わず振り返しながら、
「……いや、すみません。
やっぱり、結婚してください」
と言った。