苦手な上司にプロポーズすることになりました
 佑茉が足を止め、振り返る。

 い、急いで祝わねばっ、と慌て、ともかく言葉を口から出そうとする。

「は……はっぴー」

 なにが、はっぴーだっ。
 思いつかなさ過ぎて、歌おうとしてしまったっ。

 幼稚園からの刷り込みだっ。

 しかも、出た声は掠れて低く、呪いの歌しかはじまらなさそうだった。

 だが、はじめてしまった以上、やめられない。

 由人は動揺したまま突っ走る。

「……はっぴーばーすでー♫」

 トドメに音まで外れてるっ、
と由人は顔を覆いたくなった。



< 374 / 379 >

この作品をシェア

pagetop