苦手な上司にプロポーズすることになりました
 

「ははは。
 見つけたか。

 お前のことだから、家の中、細かくは見てなかったんだろう」

 そっちの家は、喧嘩したときの避難場所にでもしろ、と合流した佑茉のスマホから、彼女の祖父の声が漏れ聞こえてくる。

「いっとき、離れて頭を冷やす場所にしたらいい。
 その方が、お互いの実家に心配かけなくていいだろう。

 鍵も何処かにあるはずだ」

 電話を切ったあと、佑茉と二人、黒い邸宅の家の鍵を探す。

「部長、一軒ずつ住みます?」

 広い屋敷の中をウロウロしながら佑茉がそう訊いてくる。

「いい。
 今でさえ広すぎるし」
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