苦手な上司にプロポーズすることになりました
「あの莫迦娘が私の言うことなど聞くわけないだろうっ。
 佑茉っ、逆らうのなら、全社員に、お前が私の姪だとバラすぞっ」

 ……姪だとバレてはいけないのですか、という顔を湯沢はしていた。

「はっ。
 時代は変わったんだよっ。

 社長の身内だと知れたら、
『あの人、コネ入社なんじゃないの~?』とか言われて、ハブられ。

 お前の実力でとった仕事も地位も、あの人、社長の身内だからよとか陰口叩かれて終わるのだっ」

「それが嫌だから黙ってるんでしょうっ?

 だいたい、コネ入社って。
 おじさん、私がこの会社受けてたの知らなかったよね~っ?」

「入社試験なんぞ、下に丸投げだ。
 私が下手に関わらない方がいいんだ。

 うちの社員はみな優秀だから」

 ……まあ、それがわかっていたから、ここ、受けたんだが、
と思いながら、佑茉は言う。

「だいたい、赤荻部長が私なんかと結婚するわけないじゃないっ」
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