苦手な上司にプロポーズすることになりました
「なにを言う。
 お前は自慢の姪だ。

 こんな可愛い娘を断る男などいるものか」

 二、三歳の頃からちっとも変わっておらん、と言うので。

 それはそれで大人の女性として問題がある、と思っていたが。

 自分も従兄弟の子どもたちがいつまで経っても幼児に見えるので、その感覚はちょっとわかる、とも思っていた。

「エリナは生意気で言うこと聞きゃしないからな」
と永遠の反抗期のような娘を罵る。

「私も聞きませんよ……」

「湯沢、今すぐ、こいつが私の姪であると社内報作ってる連中に知らせろ。
 姪と社長の仲良しゴルフ写真、とか載せさせるんだ」

「わかりました」

 わからないで~っ、と社長に忠実な秘書室長を見る。

「ともかく、無理ですっ。
 他の親戚に頼んでくださいっ」

「いやっ、お前でなければだめなんだっ」
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