Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
 そう考えるものの放っておけばいいと言われるのがオチかな、とも思う。実際今はずっとそうしている。気にするだけ無駄なのかもしれない。

 想乃は首を捻りつつも届いたメールを開封した。また誰かしらの不幸を予言する内容だったらどうしよう。ためらいは一瞬でやはり好奇心が勝った。

 メールに書かれた文章を読み取り、想乃の丸い瞳が大きく見開かれた。即座に息をのみ込む。予想だにしない内容から声を発することもできなかった。

【並樹慧弥という男性にはもう出会いましたか?】

 なんで……?!

 想乃は口元に手を当ててあからさまに顔をしかめた。てっきり何かしらの未来予知が書いてあると思っていたので不意を突かれた気分になった。ブブ、と再度スマホが震える。

【そのかたはあなたの人生を大きく左右する人物です。警戒を怠らないでください】

「どういう、意味……?」

 どうして名指しで慧弥さんのことが書いてあるの? こんなの、未来予知でもなんでも……。

 そう思ったところで目が不自然に宙を泳ぐ。想乃は額に手を当てて、再びベッドに腰を下ろした。

 未来予知……なの? 私、個人に対する、助言?

「あなたはだれなの?」

 無意識に声がこぼれて返信バーに文字を打ち込んでいた。
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