Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
「そりゃあそうでしょ。こんなに綺麗で可愛い子を連れて歩けるんだから浮かれて当然。ね?」

 そう言って流し目でウインクをされた。あまりにも自然な仕草なので、グッとハートを鷲掴みにされる。

 そういうところです、と言いたくなった。そういうところがいつも思わせぶりで参ってしまうんです。

 騙されない、騙されないぞ。想乃は暗示をかける気持ちできゅっと唇を結んだ。

 慧弥に連れられて化粧品専門店に入った。美容スタッフの女性が数名いて、ここでも丁寧な接客を受ける。肌質や水分量を測り、家を出る前に施したメイクをいったん落としてすっぴんになった。

 想乃の肌に合う基礎化粧品からファンデーション、発色のいいブランドコスメを勧められて、実際に化粧もしてもらった。その際、肌荒れを防ぐ生活習慣とコスメの使い方の手順も指南された。

 最後にリップブラシでぷるんとした唇を仕上げてもらう。

 これが私? こんなに綺麗な色味、使ったことない。

 鏡に映る自分の顔を見てえも言われぬ感情が込み上げる。色白の想乃にはピンク系統の華やかな色味が似合うと教えてもらった。

「ああ……いいね。よく似合ってる」
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