Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
 想乃は眉根を寄せて、一度見たカレンダーで明日の予定を再びチェックする。

 だめだ。十四時は仕事中だ。コンビニから近い横断歩道だけれど、仕事を抜けて出る……なんて。

 宛先不明のメールに目を落とし、文末に書かれたメッセージを再度読み取る。

【想乃さん、あなたにならきっと助けられる、私はそう信じています】

 どうしよう。無意識のうちにスマホを握りしめていた。

 この事故が本当に起こるなんて、どこにも保証がない。けれど、これまでに言い当ててきた災害や万馬券の予知は、いわばパフォーマンスに過ぎず、送り主の目的は明日の事故を未然に防ぐことなのかもしれない。

 悶々と頭の中で考え、その日はなかなか寝付くことができなかった。

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