Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
彼が言うには、黎奈は弟のいないところで“婚約者”に会い、相手がどんな女性なのか品定めをしていたらしい。財産目的ではなく、並樹家に相応しいかどうかを判断しようとした、とのことだ。
「想乃に会って。きみの控えめな性格を把握しただろうから、俺がたぶらかされているわけじゃないってわかったと思う。きっと今ごろ反省してるよ」
「……そうでしょうか」
そのあたりはいまいち腑に落ちず、首を傾げた。
「あの人はいつもああなんだ」と彼は困ったように付け加えた。「いつも?」とつい訊き返してしまう。
「俺に彼女ができたり、いい雰囲気になってる子がいたら先回りして調べて接触する。ブラコン、と言えばそうなのかもしれないけど。単純に自分と馬が合うかどうかを知りたいんだと思う」
「じゃあお姉さんの……そういう行動もあって彼女を作っていないんですか?」
「いや? 別にそういうわけじゃない」
慧弥のはっきりとした否定に、困って眉を寄せると「好きになれる子がいない。ただそれだけ」と返ってきた。
じゃあ私はどうなんだろう……?
思っても仕方のない疑問がふと胸中に浮かび上がる。
私は慧弥さんにとって……「好きになれる子」、なのだろうか?
「て言うか。さっきはありがとね?」
「え?」
「想乃に会って。きみの控えめな性格を把握しただろうから、俺がたぶらかされているわけじゃないってわかったと思う。きっと今ごろ反省してるよ」
「……そうでしょうか」
そのあたりはいまいち腑に落ちず、首を傾げた。
「あの人はいつもああなんだ」と彼は困ったように付け加えた。「いつも?」とつい訊き返してしまう。
「俺に彼女ができたり、いい雰囲気になってる子がいたら先回りして調べて接触する。ブラコン、と言えばそうなのかもしれないけど。単純に自分と馬が合うかどうかを知りたいんだと思う」
「じゃあお姉さんの……そういう行動もあって彼女を作っていないんですか?」
「いや? 別にそういうわけじゃない」
慧弥のはっきりとした否定に、困って眉を寄せると「好きになれる子がいない。ただそれだけ」と返ってきた。
じゃあ私はどうなんだろう……?
思っても仕方のない疑問がふと胸中に浮かび上がる。
私は慧弥さんにとって……「好きになれる子」、なのだろうか?
「て言うか。さっきはありがとね?」
「え?」