Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
パッと物思いから覚めて彼を見上げると、いつもの柔らかい笑みを向けられた。
「想乃、あの人にきっぱり言ってくれたでしょ? “慧弥さんのことが大好きです”って。あれを聞いて本当に安心した。ああして言い切ってくれたから、じきに疑いも晴れるよ」
「だってあれは……っ」
「うん?」
本心だから。そう思ったところで口をつぐみ、いえ、と訂正するため首を振る。肩にかけたバッグの持ち手をきゅっと握りしめた。
「私、慧弥さんのこと。本当に尊敬してるんです」
「……そ? ありがとう」
慧弥が目を丸くして微笑み、想乃を見つめてふふっ、と含み笑いする。ふふふ、と次第に肩を震わせる彼を見つめて想乃はまた困惑した。慧弥がなにか、思い出し笑いをしている。
「な、なにが可笑しいんですか?」
「いや、さっきの可愛かったなぁって。想乃ってばあの人に凄まれて子鹿のようにぷるぷる震えてんだもん……っ、思い出したらめちゃくちゃ可笑しくてっ」
「ちょっ、」
たちまち頬に熱を感じて、想乃は胸の前で両手をパーにした。羞恥心からあたふたしてしまい、耳まで赤くなった。
「わっ、笑いごとじゃないですよ、私本当にどうしようって困ってたのに」
「あははっ、ごめんごめん。そういえばちょっと泣きそうになってたもんね?」
「想乃、あの人にきっぱり言ってくれたでしょ? “慧弥さんのことが大好きです”って。あれを聞いて本当に安心した。ああして言い切ってくれたから、じきに疑いも晴れるよ」
「だってあれは……っ」
「うん?」
本心だから。そう思ったところで口をつぐみ、いえ、と訂正するため首を振る。肩にかけたバッグの持ち手をきゅっと握りしめた。
「私、慧弥さんのこと。本当に尊敬してるんです」
「……そ? ありがとう」
慧弥が目を丸くして微笑み、想乃を見つめてふふっ、と含み笑いする。ふふふ、と次第に肩を震わせる彼を見つめて想乃はまた困惑した。慧弥がなにか、思い出し笑いをしている。
「な、なにが可笑しいんですか?」
「いや、さっきの可愛かったなぁって。想乃ってばあの人に凄まれて子鹿のようにぷるぷる震えてんだもん……っ、思い出したらめちゃくちゃ可笑しくてっ」
「ちょっ、」
たちまち頬に熱を感じて、想乃は胸の前で両手をパーにした。羞恥心からあたふたしてしまい、耳まで赤くなった。
「わっ、笑いごとじゃないですよ、私本当にどうしようって困ってたのに」
「あははっ、ごめんごめん。そういえばちょっと泣きそうになってたもんね?」