Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
 もともと細身なほうなので、体重を減らす目的で食事を控えるのはNGらしい。筋肉を維持するには、たんぱく質をしっかり摂り、栄養バランスのとれた食事をすることが美しい体を保つことにつながると教えられた。

 特に、塩分を摂りすぎるとむくみやすく、体のラインが崩れるので注意するようにと言われ、食事療法の例が詳しく紹介されたパンフレットも渡された。

「どうだった? 初のエステサロンは」
 
 アフターカウンセリングを終えたあと、黎奈に呼ばれてまた別の部屋へと移動していた。どうやら食事付きのコースが設けられているサロンらしく、その高級さにうっかり気後れした。

 施術を受けたあとは一時的に体が敏感になっているため、直後の食事が大切だと言う。デトックスモードになっている体に適切な食事を取り入れることで、その効果がさらに高まるらしい。

「すごく良かったです」

 想乃は目の前に置かれたグリーンスムージーやヘルシー料理の数々を見つめ、ほう、と息を吐き出した。

「体がぽかぽかして温かくて。気を抜いたら寝ちゃいそうです」
「温熱効果で代謝が上がってるからね。しっかりと水を飲んでね」

 水で満たされたグラスを手にして、ひとくち口内に含んだ。冷たさが染み渡り、いつもより美味しく感じられた。
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