Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
「お、お嫁さん……」
「ああ、小さいころの話よ? 慧弥が高校生のときに彼女を作ってからは美海もいとこ離れをしたから……今は彼氏がいるって言ってたかな」

 想乃はクルミとチアシード入りの玄米リゾットを食べながら、頼りなく瞳を持ち上げた。

 並樹家の家系図を頭に思い描こうとするが、複雑すぎて上手くいかない。いったい何人の名前が出てくるんだろう、そう思ってしまう。

 まだ聞いていなかった黎奈の娘と息子についても教えてもらった。五歳の娘は憂依(うい)といい、三歳の息子は(かい)というらしい。

 二人とも幼稚園や保育園には通わせず、家庭教師を呼んでの自宅学習を行っているという。英才教育という単語が自然と頭に思い浮かんだ。

 なんにしてもスケールが違いすぎる。やはり月とスッポンだ。

「家族関係はこんなところだけど……大丈夫そう?」
「……え」
「父のパーティーに出席するんでしょ? 今言った親族に関しては最低でも頭に入れておいた方がいいと思うけど。覚えられそう?」
「あ……。あとで紙に書いてもらってもいいでしょうか?」

 頭を抱えつつお願いすると、黎奈は「ふふっ」と笑みをこぼし、「今度家系図を作ってあげる」と言った。
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