Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
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明け方、メールの着信音で目が覚めた。まだ室内は暗く、枕元にあるスマホを開けるとバックライトの明かりにいくらか目が眩んだ。
【未来人】からのメッセージだ。昨日想乃が送ったメールに返事が届いていた。一週間の間をあけずに返ってきたことに、まず驚いた。
ベッドから身を起こし、ひとまず部屋の電気を点ける。
【あなたが私というのは嘘ですよね? そもそも私はあなたを信用していません】、【慧弥さんに警戒しろという忠告も曖昧すぎて混乱しています】、【あなたが未来の私であるという証明をしてください】。
この三件の吹き出しの下にあちらからの返答が載っていた。
【あなたの仰ることはごもっともです。現時点で私を信用できないというのなら、仮に私のことはXと呼んでください】
【私が未来のあなただという証明ですが、方法が思い付きません。可能ならあなたからの質問にいくつかお答えいたします】
メールが届いたこのタイミングで返信したら、すぐに答えが返ってくるかもしれない。以前もそうやってポンポンとやり取りをした。
スマホに浮かぶデジタル時計は4:23。通常なら非常識にあたる時間だが、構うものか。想乃は指先で目元を擦り、下部の返信バーをタップした。素早くメッセージを打って送信する。