Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
「ふーん……これはなに? 創作?」

 黎奈に尋ねられ、美海がゆっくりと首を振る。

「日記みたい。本当にあったできごと」

 時間の流れがやけに遅く感じられる。さっきからずっと息苦しい。背筋に嫌な汗が浮かんだ。

 周囲の音が妙に遠い。けれど、美海の声だけがクリアに響いた。

「ねぇ、浅倉さん?」

 想乃はビクッと肩を揺らした。

 美海はゆっくりと顔を傾け、猫のような瞳を細めた。

「私、気づいちゃったんだけど……このブログ書いてるの、あなたじゃない?」
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