Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
慧弥と想乃(かつては雅)の魂は、何度生まれ変わっても最終的には結ばれない宿命にある——。
この設定は、拙作の短編、『離れ離れのふたり』https://estar.jp/novels/26131269を混入しました。こちらの作品は別の投稿サイト《エブリスタ》に掲載しています。
本作の終章で慧弥の左手から痣が消えたので、おそらくは解呪に成功したという結末です。
◇物語づくりのこだわり
本作では、特に以下の点にこだわりました。
① 未来人(同一人物)による介入
未来の慧弥が郷を使って過去の自分に干渉し、新たな世界線を作り出す。魂の統合によって、死期に覚醒する呪いを解こうと計画する。
② 「運命の恋」の欺瞞性
慧弥と想乃の関係は運命的な恋愛に見えながら、実は未来の慧弥が「解呪のために仕組んだもの」である。
③ ミステリーとしての伏線配置
物語が進むにつれて少しずつ違和感を積み重ね、読者さまが「未来人の意図」に気づけるようにした。
④ Xの目的と、黎奈の正体
Xの目的は「不安と混乱を与えること」。
正体が黎奈であることが明かされ、慧弥との姉弟関係は単なる対立ではなく、牽制や駆け引きが絡むものとして描けた。
慧弥が「黎奈と想乃の関わり」についてたびたび愚痴をこぼしていたシーンは、実は彼自身が大切にしているものに介入してくる、姉に対する不満の表れです。
黎奈としては、慧弥が大切にしている存在だからこそ執拗に関わりたくなり、これは幼少期、母親を独り占めしていた慧弥への無意識の当てつけが影響しています。