Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
あとがき
本作、『Deception 〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜』を最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。真辻春妃です。
いかがだったでしょうか? 楽しんでいただけたのなら幸いですが——わかってます、正直、賛否あるだろうことは。真辻の作品、作風はだいたいいつもこんな感じなので。
読者さまの貴重なお時間を無駄にしていないことを願います。
さて。本作のタイトル『Deception 』には、二重の意味を込めました。「欺瞞」や「裏切り」だけでなく、読者さまの予想を裏切る仕掛けも意識しました。
ミライ(未来の郷)と契約を交わして動いていた慧弥が、実は未来の自分の計画に無意識のうちに利用されていた——。
それでも慧弥の視点から見れば、間違いなくハッピーエンドです。想乃と幸せな未来を築くことができたので。(もちろん、想乃は言うまでもなく)
しかし、未来人の介入によって分岐した世界線——その先にある真意は、過去の慧弥にすら予測できないものとなりました。
◇作品の中の伏線について
本作にはいくつかの伏線を散りばめました。
◎慧弥の母・並樹雅と想乃との関係性
「初見の楽譜をさらっと三曲演奏できる」
「慧弥の父に対し、なぜか懐かしさを覚える」
この二つの要素ですが、違和感の理由は想乃が並樹雅の生まれ変わりだからです。
◎慧弥の左手にある“鳥の痣”
作中で慧弥が「アオサギみたいだよね」と口にする場面がありますが、これは単なる比喩ではありません。
アオサギは、静かな湿地や霧の中に佇むことが多く、「死者の魂を運ぶ鳥」とも言われることがあります。
日本の一部地域では「家の近くにアオサギが現れると、死が近い」とも思われているそうです。