Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
自分との格差を考えると月とスッポンという単語が自然と頭に思い浮かぶ。ますます住む世界の違いが浮き彫りになった。
「兄弟は三歳上に姉が一人だけ。五年前に結婚していて夫である義兄と二人の子供とともに父と同居している。そういう家庭の事情があるから俺は一人暮らしをしているんだけど、問題はそこじゃない」
「……問題」
そう言われてなんとなく察してしまう。
「去年から親族や得意先に見合い話をひっきりなしに振られていて実はかなり参ってるんだ。だからといって今現在結婚を考えている恋人もいないし、好きな女性もいない」
「……はぁ」
「去年まではそれでもいいかと思っていたけれど。今年は父が還暦を迎えるからね……そうも言っていられなくなった。
還暦祝いパーティーというのがホテルで行われる予定なんだけど、親族は勿論、会社の得意先を招いての大々的な集まりになる。そこで恋人もいないという話になると、さすがにもう逃げられない。得意先の社長や姉夫婦、叔父がきっと放っておいてはくれない、そう思ったわけ」
「……はぁ。そうなんですか」
大変ですね、と続け、想乃は相変わらず他人事として続きを聞く。
「兄弟は三歳上に姉が一人だけ。五年前に結婚していて夫である義兄と二人の子供とともに父と同居している。そういう家庭の事情があるから俺は一人暮らしをしているんだけど、問題はそこじゃない」
「……問題」
そう言われてなんとなく察してしまう。
「去年から親族や得意先に見合い話をひっきりなしに振られていて実はかなり参ってるんだ。だからといって今現在結婚を考えている恋人もいないし、好きな女性もいない」
「……はぁ」
「去年まではそれでもいいかと思っていたけれど。今年は父が還暦を迎えるからね……そうも言っていられなくなった。
還暦祝いパーティーというのがホテルで行われる予定なんだけど、親族は勿論、会社の得意先を招いての大々的な集まりになる。そこで恋人もいないという話になると、さすがにもう逃げられない。得意先の社長や姉夫婦、叔父がきっと放っておいてはくれない、そう思ったわけ」
「……はぁ。そうなんですか」
大変ですね、と続け、想乃は相変わらず他人事として続きを聞く。