男装して婚約者を演じていたらお兄様に目をつけられてしまいました
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料理教室も慣れてきた頃、新道先生が経営するレストランに招待された。毎回抽選で2組を招待しているらしい。その内の1組を私が当ててしまったのだ。
受講料も払っていなければ料理を習いたいわけでもない私が、送迎付きの恵まれた環境でなあなあと続けているだけなのに、人気のレストランの招待券までもらうとは、これから地獄にでも落ちるのではないだろうか。
救われたのは1名ではなく、ペア招待券であることだ。 譲渡できればルココちゃんにあげて、頼人さんと行ってもらうということもできたのだが、当てた本人が行かなければならないという招待だったため、今回は、私とルココちゃんで行くことになった。
ルココちゃんは、いつものように可愛いドレスで着飾っている。本当にルココちゃんは、現実世界の人間なのだろうか。たまに額縁から間違えて出てきてしまった異次元の美少女じゃないかと思ってしまう。それに比べ、私ときたら、今日も化粧はせず、男性もののスーツを着ている。
月とすっぽんとはこういうことだ。
丸留さんに送ってもらい、高層階にあるレストランに来た。頼人さんに何度もこういう店に連れて行ってもらったせいか緊張はしない。ルココちゃんたちに会う前の私なら緊張して、何もかも目新しくて一人で浮き足だっていただろう。
何度も頼人さんにエスコートしてもらっていたから、ルココちゃんをエスコートするのは朝飯前。頼人さんの真似をすればいいんだから。
ただ横を歩けばいいってもんじゃない。ルココちゃんが添えた手の感覚。離れすぎないように意識して、ルココちゃんの歩幅に合わせてゆっくりと歩く。私が気にせず歩けていたのは、頼人さんがこうやって気を遣ってくれたからなんだ。
「どうかなさいましたか?」
「え? あ、食事、楽しみだなって」
「楽しみですわね」
にっこり微笑むルココちゃんになんだか後ろめたさを感じる。今日はルココちゃんとのデートだ。ルココちゃんと楽しまなければ。
料理教室も慣れてきた頃、新道先生が経営するレストランに招待された。毎回抽選で2組を招待しているらしい。その内の1組を私が当ててしまったのだ。
受講料も払っていなければ料理を習いたいわけでもない私が、送迎付きの恵まれた環境でなあなあと続けているだけなのに、人気のレストランの招待券までもらうとは、これから地獄にでも落ちるのではないだろうか。
救われたのは1名ではなく、ペア招待券であることだ。 譲渡できればルココちゃんにあげて、頼人さんと行ってもらうということもできたのだが、当てた本人が行かなければならないという招待だったため、今回は、私とルココちゃんで行くことになった。
ルココちゃんは、いつものように可愛いドレスで着飾っている。本当にルココちゃんは、現実世界の人間なのだろうか。たまに額縁から間違えて出てきてしまった異次元の美少女じゃないかと思ってしまう。それに比べ、私ときたら、今日も化粧はせず、男性もののスーツを着ている。
月とすっぽんとはこういうことだ。
丸留さんに送ってもらい、高層階にあるレストランに来た。頼人さんに何度もこういう店に連れて行ってもらったせいか緊張はしない。ルココちゃんたちに会う前の私なら緊張して、何もかも目新しくて一人で浮き足だっていただろう。
何度も頼人さんにエスコートしてもらっていたから、ルココちゃんをエスコートするのは朝飯前。頼人さんの真似をすればいいんだから。
ただ横を歩けばいいってもんじゃない。ルココちゃんが添えた手の感覚。離れすぎないように意識して、ルココちゃんの歩幅に合わせてゆっくりと歩く。私が気にせず歩けていたのは、頼人さんがこうやって気を遣ってくれたからなんだ。
「どうかなさいましたか?」
「え? あ、食事、楽しみだなって」
「楽しみですわね」
にっこり微笑むルココちゃんになんだか後ろめたさを感じる。今日はルココちゃんとのデートだ。ルココちゃんと楽しまなければ。