今夜だけのはずが極上の彼に愛されて


「私は何も…」

「あの時、紅羽がデザイナーになるべきだと俺を励ましてくれたおかげで、デザイナーになる夢を諦めないで済んだんだ」

「そんな…」

「やっと見つけたんだ、紅羽。俺の専属のパタンナーになってくれ」

そう言って私を持ち上げ作業台に乗せられると、脚の間に入ってきたかと思えばそのままテーブルに押し倒された。

「ちょ…」

「返事は?」

至近距離で問いかけられる。
彼のスパイシーなフレグランスが私の鼻をかすめる。

私を惑わす危険な香りだ。

「あの…何でこんな…んっ!」

最後まで言う前に噛み付くようなキスをされる。

このキスにはどういう意味があるの…?
そう思っても息つく暇もない程情熱的なキスが私を飲み込む。




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