今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
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「さ、行こうか」

数日後、誠が朝からマンションにあの車で迎えに来たかと思えば会社に連れて行かれる。

今日の誠は、黒ベースの生地に大柄の花柄が刺繍されたなんとも着る人を選びそうなスーツを見事に着こなしている。

さすが自分でデザインしただけあるわ。

私はというと、なんと誠はあの後大量にMattの服を私にくれて、その中から選んだ服を着ている。

黒のオーバーサイズのタックの入ったハイライズのワイドバギーパンツにベルトをして、黒のショート丈の肩がツンと上がったコンパクトなジャケットを羽織った。

インナーは黒のクロップド丈でお腹がチラッと見える。

やっぱりMattの服はオシャレだ。

「紅羽ちゃん、さすがな着こなしだね」

誠は相変わらず普段はちゃん付け。
こそばゆいな本当に。

「あ、ありがとう」
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