今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
裏手に回って車を降りれば、警備員がすかさずやってきて誠はキーを預けた。

どうやら駐車は任せるらしい。

「行くよ。堂々としてて」

そう言って誠は歩き出し、裏口から中に入った。
私も気持ちを切り替えて一歩後ろからついて行く。

誠と二人フロアに着いて歩いているとあちこちから悲鳴に似た声があがるのが聞こえてきたが、私はひたすら言われた通り前を向いて胸を張って歩いた。

「モデルさんかな?」

「すごく綺麗」

「オシャレ」

「美人!」

あら。
私の事?
褒められてるか?

なんだか恥ずかしいな…

その時誠が歩きながら私を見下ろしフッと笑ったので、私も微笑み返した。

するとすかさずまたキャーっと甲高い声が聞こえてくる。

凄いな。
めちゃくちゃ人気じゃんか誠。
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