今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
どうしようかな…。

「入んないの?」

すると後ろからバリトンボイスの声が聞こえてきた。
どうやら私はいつの間にか入り口の前まで来て、ドアを塞いでしまっていたようだ。

「あ、すみません」

咄嗟に避けてやっぱり帰ろうと思い振り返る。

うわ…

そこにはとんでもない雰囲気を放つ長身のイケメンが私を見下ろしていた。

髪はかなり短めで坊主が伸びたくらいの長さのスパイキーショートで、銀色に染められていて色白の彼にとっても似合っていた。

両耳に黒のリングのピアスをつけて、なんと口の中央にもシルバーのボールピアスが付いている。

そして、オーバーサイズの黒の無地のTシャツから出た首には幾何学模様のタトゥーが彫られていた。

綺麗な眉に、少し垂れ目気味の甘い瞳は綺麗な平行の二重で、左目の下にはホクロが二つ。
それがやけに色っぽい。

鼻筋が通った綺麗な高い鼻と、薄く真一文字に閉じた唇。

とにかくイケメンだ。
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