今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
「まぁ…」

「紅羽ちゃんか?」

だよな。
わかるよな…

「…男…いたっぽい…」

「まじ?」

「……ああ」

「まじか。まぁあんな綺麗な子、男ほっとかねぇか」

そうだよな。
俺だけじゃないよな…

「今朝、すげー仲良さそうにしてる所見た」

「そっか…。でも専属のパタンナーにはなってくれたんだろ?」

「来月からな」

なかなかキツいなこれ。

そして悶々としたまま月日が経って今日から紅羽が会社に来る日が来てしまった。

俺はあれから連絡をとっておらず、もちろん紅羽からも連絡はなかった。

そうだよな…
いつもそうだった。
全部俺からだったもんな。

まぁ俺も忙しかったし。
ニューヨークから久しぶりに家族がこっちに会いに来たりして。

それなのに朝目が覚めて携帯を見ると夜中に通知が来ていた。

紅羽…?

ガバっと起き上がり内容を確認する。
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