今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
「ごめん紅羽ちゃん。お疲れ様。もう上がっていいよ?」

「あ…はい。これだけ仕上げてから…」

「急がないから週明けでも…」

「いや…」

何故か紅羽は泣きそうな顔になってる。
なんだ!?

「ちょ、どうした?」

俺がそう言えば今度はウルッとさせた猫みたいな大きな瞳でギロっと一瞬睨まれた。

んん!?

「か、帰ります」

何か言葉を飲み込み作業台を手早く片付け、荷物を持つ。

「お先に失礼します」

そう言ってやっぱり瞳をぐらつかせながら俺の前を通り過ぎた。

「え?」

紅羽が俺を見て驚いた顔をする。

え?

気づけば俺は紅羽の手を掴んでいて、そんな自分に驚く。

「あ…ごめん。何でもない」

と言いつつ手を離せない俺。

「紅羽ちゃん…何か…言いたい事ある?」
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