今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
するとブンと勢いよく手を振り解かれた。

「捕まえた魚にはエサはやらないタイプですか?」

「は?」

何言ってんの?

「あ…いや…ごめんなさい。忘れてください…それじゃ」

そう言って部屋を出て行こうとする紅羽。
俺はまた紅羽の手を掴む。

「待てよ。今のなんだよ」

つい強い口調になってしまった。

見つめ合うその瞳はグラグラと揺れていて、吸い込まれそうになり目が離せない。

あの男は誰なのかと問いつめたくなる。

俺の事はどう思っているのかと答えを知りたくなる。

「……たのに」

紅羽は俯いたかと思えばそれは小さな声で何かを言う。

「え?」

「誠の事好きになっちゃったのに!」





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