今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
朝起きて確認すれば、既読の印が付いていた。
それでも返事は来ない。

無視かよ。

釣った魚には餌はやらないタイプだったの?

だんだんと怒りに近い感情まで出てきてしまった。

もういい。
私は私の仕事を責任もってやればいい。

誠は誠。
MattはMattだ。

気持ちを切り替え、Mattの服に身を包む。

今日からこれが私の戦闘服だ。

そして少し早めに家を出てMattに向い、それぞれの部署に挨拶をして自分の作業部屋へと入った。

出だしは好調。

大丈夫。やれる。

部屋に入れば引き継ぎ書が用意されていて、一通り目を通す。

この辺は抜かりないというかなんというか。
一応歓迎されてるのかな。

そしてメールの設定なども既にされており、中には幹事だろう社員から歓迎会の知らせも入っていた。

これは結構嬉しい。

すぐに参加の返事をする。

そして早速用意されていたデザイン画をもとに作業に移った。

やっぱり悔しい事に、誠が描くデザイン画からはポンポンとインスピレーションが浮かんできて、書き足されたメモを見ながら同じ感覚に胸が締め付けられる。
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