今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
ホテルに移動してトサっとベッドに押し倒された。

さっきよりも更に酔いが回ってクラクラして、頬も熱い。

「名前呼んで」

私を見下ろして見つめられる。

「誠…さん」

「呼び捨てで」

「誠…」

すると誠の顔が近づき傾くと唇にキスが落とされすぐに熱い舌が入ってきた。

「はぁ…ん…」

キスだけでこんなに気持ちいい。

脳まで溶かされそうなキス。
誠の口のピアスがたまに舌に触れて新しい感触に何故かゾクゾクっとしてしまう。

この見るからに危なそうな雰囲気の誠に触れて、現実じゃないみたいだ。

こんな簡単にスイートルームを取ってしまう彼は一体何者なんだろう。

絶対この沼には入ってはいけない。

本能でそう思ってしまう。

そっと唇が離れて至近距離でまた見つめられる。
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