今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
そして誠は私の耳元に口を寄せる。

何か言われるのかと思いながら耳を傾けるとフッと息をかけられた。

「ちょっとっ!」

「クククク」

「なんなのさっきから!」

「ん? 抱きたいの我慢してるだけ」

んな!?
なんて事言うのさ!

誠はテーブルに肘をついて顎を乗せ、長くてスラッとした脚を組んで私の方を見てる。

モデルのポージングのように。

でもその瞳の奥は確かに情欲的でこっちまで…

「さっきから誠、変だよ」

「そ? まぁ、嬉しくて浮かれてはいるね」

私の手を取り指を絡めてキュッと握られる。
触り方が…

「今すぐベッドで愛したい」

また耳元に口を寄せられたかと思えば今度はそんな事を言われゾクゾクっと背筋に電撃が走った。

握った手の親指でスリスリと私の手をさする。

今更私はとんでもない告白をしてしまったと気付き、息を飲む。
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