今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
そんな腕を持った縁の下の力持ちのような存在でありながら、どのモデルよりもどの女優よりも美しいなんて。

誰よりもMattの服を着こなしている。

なんて思っていればあっという間に終わってしまった。

「誠」

紅羽におもむろに名前を呼ばれる。

「ん?」

「私をここまで連れてきてくれてありがとう。世界を見せてくれてありがとう」

その言葉に胸を打たれた。

俺がこうして立っていられるのは紅羽を始め支えてくれる仲間たちのおかげだ。

「俺の方こそありがとう」

紅羽や他の皆んながいなければ成し得ない。

「この景色を知っているからこそ、次に繋げたいんだ」

これまで紅羽に言っていなかった話しをする。

「次に?」

「そう。もちろんうちの会社から巣立つ仲間も多い。でも、そうじゃなくて、もっと若い世代に」

「それって…」
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