今夜だけのはずが極上の彼に愛されて


「そうなんだ」

「紅羽先輩はひとりで来たんですか?」

そう聞いてくる雪ちゃんの表情は、なんか挑発的で話し方も棘があるように感じる。

「あー、うん。まぁ、そんな感じ」

気まずいなー。

「紅羽。お待たせ」

すると後ろから誠が現れたかと思えば呼び捨てされた上にスッと私の腰に手を回した。

え?
私は驚き誠を見上げる。

「この二人だよな? ここは俺に合わせて」

ヒソっと耳打ちされる。

二人を見ると目の前に現れたMattのデザイナーに目を大きくして固まってしまっていた。

「こんにちは。今日は来ていただきありがとうございます」

誠はそんな二人に話しかける。

「あ、いえ…あのお二人は…」

雪ちゃんがおどおどしながら聞いてきた。

「ええ。僕の大事な彼女です。一年前くらいから。な?」

はい?
誠を見上げれば「合わせろ」と目で合図される。

「あ、まぁ。ははは」

「一年前…それって…」

私と直人が別れて会社を辞めた頃だね。
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