今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
この人どこまでが本当なの?
と思ってしまう程、真剣な物言いに私までもが勘違いしてしまいそうだ。

「それじゃ、この後も楽しんでいって下さいね。紅羽、行こう」

そう言って誠は私をスマートにエスコートしてその場から離してくれた。

何を思ったんだか誠はそのまま会場を出ようとする。

「え? 帰るの?」

「いや。ちょっと思ったよりも目立ち過ぎちゃったから…一旦出よう」

なるほどね。そういう事ね。

「紅羽ちゃんが可愛い過ぎるからだよ。そんな際どいドレス着てさ」

少し不貞腐れたように歩きながらそんな事を言ってくる誠。

「いやでもこれ、誠がデザインしたやつじゃん」

私は思わず笑ってしまう。

「いやそれは…そうだけど。皆んな見てたし」

そうだったか?
私より際どいドレスの女性なんてわんさかいたぞ?

「そんな事ないでしょ」

「あるよ」

噛み気味に言われる。
ふふふ。変なの。
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