今夜だけのはずが極上の彼に愛されて


「お、美味しい!」

「はは。良かった」

「これ高いんじゃないの!?」

「どうだったかな? このくらいかな?」

そう言って三本の指を立てた。

「30万!? そりゃ美味いわけだ」

するとクスッと笑う誠。

え…まさか…

「さ…三百?」

「ははは。いいから、飲みな。つまみ用意するよ。俺食べてないんだ」

私は飲みながらツツーっと口の横から三万円分くらいワインを溢しそうになって慌てて飲み込んだ。

そしてふとテーブルを見ると、デザイン画が置いてあった。

見てもいいかな…

「見ていいよ」

するとどうやら私の様子に気付いた誠はキッチンから声をかけてきた。

デザイン画を手に取り見る。

あれ?
十字の顔じゃない。

これにはちゃんと顔が書いてある。

そしてドクンと胸が鳴った。

まさか…

「紅羽ちゃんだよ」

私は息を飲み片手で口を押さえた。
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