今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
その後もつまみを口にしながらワインを飲む。
酔いも回って饒舌に動く私の口。

「まさかこないだのパターンが今日のショーで出て来ると思わなかったよ」

「よくあのデザイン画だけであそこまで仕上げたよな」

「私だって分かってて依頼したの?」

私は気になっていた事を聞く。

「いや、知らなかった。社員が気になるパタンナーがいるって言うから試しにって割と無茶振りしたんだよ。ごめんな」

「通りで。何も指示がないし、好きにしろだなんてさ」

やっぱり試されてたんだな。

「でも上がってきた物を見て、まるで俺の意図を汲んで忠実に作られてたから驚いたんだ。それで名前を聞いたら紅羽ちゃんと同じ名前で…」

「私ちゃんと具現化できてた?」

「想像以上だった。それで満場一致でショーに使うことにしたんだ」

「そうだったんだ…」
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