今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
「誠って呼ぶのは、家族とか…紅羽ちゃんくらいだよ」

え…
またドクンと大きく胸が高鳴ってしまう。

「みんなマットって呼ぶし、俺もマットって名乗ってる」

「そ、そう…なんだ」

なんだか特別扱いされてるような気になるのは気のせいだろうか。

「ベッド…行こうよ」

頭ではこんなのに足を踏み入れたらダメだって分かってるのに…

私は頷いてしまう。

「今日の嫌なこと…空っぽにしよう」

これは悪魔の囁きか…
魅惑の危険な香りがする。
誠の香り…

今夜だけ…
今度こそ今夜だけよ…

そう言い聞かせて私は手を引かれるがままに階段を登った。
< 64 / 288 >

この作品をシェア

pagetop