今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
それもあってか風も気持ちいいし、日差しも暖かくて急に睡魔が襲ってきてしまい、スケッチブックを横に置いて俺はドサっと仰向けに横になった。

「あのっ!」

ん?
俺に誰か話しかけてる?
しかも日本語?

どのくらい寝てしまってたのか、俺は目を開けて起き上がり声のする方を見れば、ひとりの同い年くらいの日本人であろう女の子が、俺のデザイン画を両手に抱えて覗き込んでいた。

げ。

どうやらいつの間に風で飛ばされてしまったであろうデザイン画をこの子は拾い集めてくれたようだ。

「あ、ごめん。ありがとう」

家族以外とこっちで日本語で話す事はなかなか珍しく変な感じがする。

「ううん! 風で飛ばされてて。多分全部拾えたはず」

そう言って彼女はニコッと笑った。

黒くて真っ直ぐな髪は肩より下くらいの長さで切り揃えてあって、前髪があり黒縁の眼鏡をかけた子。

化粧などもしておらず、真面目そう。
でも着ている服はどこかセンスが良い。

そして眼鏡をかけたその顔は燦々と降り注ぐ太陽の日差しを浴びてキラキラと眩しくてとても綺麗に見えた。

その瞬間、バババっとデザインが浮かぶ。
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