今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
「知らなかった! 私パタンナーになりたい! あなたはもちろんデザイナーになるのよね?」

彼女に凄い勢いでそう聞かれて俺は答えられない。

「あなたは絶対にこの才能を無駄にしたらだめだよ! こんなにたくさん素晴らしいデザインを生み出せるなんて!」

初めて人に見せたデザイン画を褒められてどう答えたらいいのかわからない。

「いつか私がパタンナーになってあなたのデザインした服を作りたい! こんな素敵なデザイン見た事ないもの! ね? 絶対にデザイナーになって!」

彼女はそう言って、おもむろに時間を確認すると慌てたように立ち上がって、帰らなきゃと言ってすぐに走って行ってしまった。

ちょ…
なんだよそれ…

気づけば俺は顔が真っ赤に染まっていて心臓は短距離走を全力で走った後かと疑う程に速くなっていた。

その時俺は両親に本当に自分のしたい事を話そうと思ったのだった。
大学が決まる前の今しかない。
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