今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
俺はさっそくその日の夜、仕事から帰った両親に話しをする。

「父さん。俺、実は将来ファッションデザイナーになりたいんだ。だから大学じゃなくて専門学校に行きたい」

「駄目だ。大学に行きなさい」

それはものすごいスピードで反対された。

「父さん…」

いつもの俺だったらだいたいここで引き下がる。
でも今日出会った彼女の言葉を思い出し、デザイン画を見せながら両親に俺はまた話しだす。

「俺は本気でデザイナーになりたい。自分のブランドを立ち上げていつか世界に通用するそんなデザイナーに。広い世界に羽ばたきたい」

両親はデザイン画を見ながら真剣な顔をして俺を見る。

「どうか協力して欲しい。学校に行って独学じゃなくてしっかりと専門的な知識を学びたいんだ。お願いします」

そう言って頭を下げた。
俺はまだ子供で、結局はこうして親の協力がなければ学校にも行けない未熟者だ。
飯だって住む家だって…

頼むよ。
どうか伝われ…

そう願いを込めて頭を下げ続けた。
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