今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
父さん…
俺の親父はこんなに懐が深い。

だからあんなに大きな会社を経営できるんだな。
尊敬する。

「俺がタトゥーだらけになっても驚かないの?」

「ははは! そんな奴、五万といるじゃないか。俺の会社にもたくさんいるぞ。なんだお前、タトゥー入れたいのか?」

俺はコクっと頷く。

「それじゃ俺の顔でも背中にどーんと入れてくれ。どうせなら母さんとキスしてるツーショットもいいな」

なんて冗談まで言われる。
絶対入れないけどな。

「世界は広い。たくさん学んで後悔しないように生きろ」

「うん。ありがとう」

そうして俺は高校を首席で卒業して立派な大学に行かせてもらった。

もちろん坊ちゃんの姿のままで。
優等生なんでな。





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