君との恋は面倒すぎる
 お土産コーナーを見て回っていると、可愛いぬいぐるみやキーホルダー、お菓子に目を輝かせる。

 ジンベエザメのぬいぐるみがふわふわですごく可愛い。

 買うか悩んでいると隣に茉莉ちゃんが見えた。


「それ、可愛いね」

「ね、可愛いよね」


 茉莉ちゃんと並んでぬいぐるみを見る。

 先程のこともあり、勝手に気まずい気持ちになっていた。


「それ買ってくの?」

「悩み中、でも連れて帰ってって言われてる気がする」

「なにそれ」


 ふわふわと笑う茉莉ちゃんはすごく可愛い。

 私にもこんな風に話しかけてくれるし流石にさっきのは気の所為かも。

 そう思いなおして、さっきのは忘れることにした。

 何か蒼空くんともお揃い買っていけないかな。せっかくだし。

 家族へのお土産も選びながらさり気なくお揃いにできそうなものを見る。

 お土産を眺めていると「買わなくて良いよ」と言いながら、小さな包みに入ったものをこちらに渡してくる。渡してきたのは蒼空くん。


「え?なにこれ」

「開けてみ」


 中を開けてみてみると5月8日と書かれた緑色のマンタのキーホルダーだった。

 とても可愛らしい。


「何でこれ?」

「日和の考えそうなこと先回りしてみたけど、もし他のがよかったら一緒に見よ」


 そう言いながら黄緑のマンタのキーホルダーを取り出して指でぶら下げている。

 それは先程私に渡されたものと、色違いだった。


「え、おそろい!?」

「そのリアクションが見たくて先回りした」


 そう言って笑う蒼空くんも楽しそうで、つられて笑ってしまう。


「ありがとう!大事にする!」


 そう言うと少し笑って頭をぽんぽんと撫でてどこかに行ってしまう。

 撫でられた頭に触れて、少し俯く。

 こんなに大事にされてて嫉妬するとか、心が狭いのかもしれない。

 ふと茉莉ちゃんの方を見ると、蒼空くんを目で追っている。

 やっぱそうだよね…。

 気付いてしまったことを後悔する。

 いつも大事なこと気付けないんだからこういうことも気付けなかったら良かったのに。

 これからどうしたらいいんだろう。

 友人と好きな人がかぶってしまったことに、どうすればいいかわからなくなった。
< 169 / 266 >

この作品をシェア

pagetop