君との恋は面倒すぎる
「あのね、柊くんが、日和ちゃんに会いに来てたから連れてきちゃった」

「スマホ、見てなかった?」


 蒼空くんにそう問われ、スマートフォンを確認すると確かに連絡が入っている。


「…本当だ、ごめんね。見てなかったや」


 そう言って苦笑いし、俯く。

 紗月だけは、2人を厳しい目で見ていた。


「…何で一緒に来んの」


 紗月のいつもより低い声は多分私の耳にしか届いてない。


「ちょっと歩かない?」


 蒼空くんの言葉にいつもだったらうんって言えるのに、今日は一緒にいたくない。


「…あー、今日はやめとく。実はちょっと体調悪かったんだ」

「じゃあ何で外に居たの。ダメじゃん」


 座っていた私を立たせようとした、蒼空くんの手を思わず払ってしまう。

 蒼空くんの目を見開いた表情が目に入った。


「…あ」


 私も自分の行動に少し驚いた。

 ごめんって言葉が出てこなくて、私はその場から走って逃げ出す。


「日和!」


 珍しく蒼空くんが私の名前を叫ぶ声が聞こえる。

 その声に止まること無く、私はその場から逃げ出した。

 こんな片思い以上に苦しいことがあるなんて知らなかった。
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