君との恋は面倒すぎる
 翌日、寝不足のまま制服に身を通して、朝食会場に向かう。

 茉莉ちゃんと同じ部屋なのもあり、ひとまず一緒に来たけど明るく話す茉莉ちゃんにあまりうまく話せない。

 寝不足のせいもあってか、今は茉莉ちゃんの可愛らしい声が頭に響く。

 今日も気温高いのに、大丈夫かな。
 
 茉莉ちゃん、蒼空くんとは話せるけどまだ薫くんや澤山くんには怯えてるし、班行動だから居なくなるわけにはいかないと、体調不良を抑え込んでいた。

 朝食も夕食も班で取るから蒼空くんとは顔を合わせなきゃいけない。

 朝食会場で立ってる三人を見つける。


「おはよ!日和ちゃん!島崎さん!」


 薫くんの元気な声を聞いて「おはよう」と笑顔で返して、茉莉ちゃんも遠慮がちに「…おはよう」と返している。

 蒼空くんの顔は見られなくて、見ないようにしていた。
 こんなに気まずいこと、今までなかったのに。

 俯いていると両手でグッと顔を持ち上げられた。
 蒼空くんの顔が至近距離で見える。


「な、何」

「寝てないだろ。体調も悪そう」


 蒼空くんの言葉に、誰のせいでと言いたくなるけどその言葉はぐっと飲み込む。


「だ、大丈夫だから離して!みんな見てるし」

「そんなの今重要なこと?倒れそうな顔して何いってんの。先生の所行くよ」


 そう言って私の腕を引く。


「わ、私が連れてく!」

「いい。俺が行きたいから」


 蒼空くんが茉莉ちゃんを牽制して先生の元へと歩き出す。

 何で誰にも気付かれなかったのに体調のこと気付いてくれるの。
 こんな少しのことで、一気に許せてしまうのは、私もちょろいのかもしれない。
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