君との恋は面倒すぎる
「…俺は自分が日和の夢にとっていい選択して欲しいと思うし、夢を追いかける時、俺が邪魔な存在にはなりたくないと思ってる」

「…うん」

「それにちゃんと卒業出来たら二年でしょ。会いに行けない距離でもない。二年頑張ったら、その先は、一緒に居れるって思ったら俺は頑張れそうなんだけど、どう?」


 そう言いながら不安だった私を安心させるように手を優しく握って、笑いかけてくれる。

 蒼空くんはその先の私との未来を見ていてくれた。

 その未来を信じ切れなかった私が情けない。


「…頑張りたい。けど、寂しい」

「大丈夫、電話もたくさんするし、連絡も…、今までよりはこまめに送るようにする。会いに行ける時は行く」


 普段から連絡とか電話とか頻繁にしてくれる方では無い蒼空くんが、私を安心させるためにいつもはしてくれない約束をしてくれる。できるだけ優しい声色で、私に不安を与えないように。

 そんな蒼空くんのおかげで、二年後には、遠距離なんてなんてことなかったね!って笑える関係性でいられるんじゃないか、って思える。

 寂しいとかそういう言葉はくれないけど、でも前よりもずっと優しい言葉を掛けてくれる。彼も、私の為に変わってくれている。


「…私、向こうで頑張る。だから、遠距離でも私とまだ付き合っててくれる…?」

「遠距離で別れる理由にはならないでしょ」


 そう言って笑ってくれる蒼空くんが嬉しくて思わず抱きつきに行く。いつもこうして抱きつくと受け入れてくれる。安心させるように背中をトントンとして空いている手で頭も撫でてくれる。

 蒼空くんに話せてよかった。
 私一人じゃきっと答えを見つけ出せなかった。

 残り半年くらいで、ここでの恋愛は、一旦おしまいになってしまうけど、また遠距離でもいろいろなことを乗り越えられるように頑張ろう。
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